03-5904-8927

お知らせ・新着情報

遺産分割と不動産の基礎

### 遺産分割における不動産の取り扱い方法と弁護士の役割

 

 遺産分割は、多くの人にとって避けて通れないプロセスです。愛する人を失った悲しみの中で、相続財産の分配をどのように進めるかを考えることは、精神的にも負担が大きいものです。特に、不動産は大きな価値を持つ資産ですから、その取り扱いは非常に重要です。本記事では、遺産分割における不動産の取り扱い方法と、弁護士の役割について詳しく解説していきます。

 

#### 1. 遺産分割の基本

 

##### 1.1 遺産分割とは

 

 遺産分割とは、故人が残した財産を法定相続人によって分配するプロセスを指します。日本の民法によると、遺産は通常、遺言がない場合には法定相続分に基づいて分配されます。遺産には現金、預貯金、株式、土地や建物等の不動産が含まれます。この分割は、相続人間のトラブルや誤解を避けるためにも、明確な手続きが求められます。

 

##### 1.2 遺産分割の種類

 

 遺産分割には主に「法定分割」と「協議分割」という2つの方法があります。法定分割とは、法律に定められた相続分に従って自動的に分配されるものであり、通常、遺言がない場合に適用されます。一方、協議分割は、相続人全員が集まり話し合って合意する方法です。この方法では、相続人が同意する限り自由に資産を分配することができるため、柔軟性があります。

 

#### 2. 不動産の取り扱い方法

 

##### 2.1 遺産分割における不動産の評価

 

 不動産が遺産として含まれている場合、その評価は非常に重要です。不動産の評価額は、相続税の計算にも影響を及ぼします。また、評価額が相続人間で異なる意見がある場合、誤解やトラブルがおきる可能性もあります。一般的には(特に相続税申告の場合には)不動産の評価には「路線価」や「固定資産税評価額」を基準にすることが多いですが、協議による分割の場合にはこれらに限られません。専門家による鑑定を依頼することもおすすめです。

 

##### 2.2 不動産の分割方法

 

 不動産の分割方法にはいくつかの選択肢があります。一つは、「物理的な分割」です。例えば、広大な土地を相続する場合には、相続人ごとに土地を分割することが考えられます(共有分割)。ただし、物理的な分割が可能な状況は限られているため、多くの場合は「売却」による分割が選ばれます。これは、相続人全員が合意の上で不動産を売却し、得られた現金を相続分に応じて分配する方法です(換価分割)。

 

 また、誰かがその不動産を相続する場合、他の相続人には相応の対価を支払うことで分割することも可能です(代償分割)。この場合も、全員が納得できるような評価額設定が重要です。

 

#### 3. 弁護士の役割

 

##### 3.1 弁護士による遺産分割のサポート

 

 遺産分割に関するトラブルを未然に防ぐためにも、弁護士に相談することは非常に有効です。弁護士は、相続法や遺言書に関する専門知識を持ち、多様なケースに対処する経験があります。彼らは、相続人間での協議をスムーズに進めるためのアドバイスを行い、合意形成をサポートします。また、法律文書の作成や手続きの代行を行うことも可能です。

 

 弁護士は、場合によっては裁判所に申し立てを行うこともあるため、相続が紛争に発展する可能性がある場合には、早期の段階から関与してもらうことをオススメします。

 

##### 3.2 専門家に相談するメリット

 

 専門家に相談することの最大の利点は、知識と経験を利用して問題を解決できる点です。遺産分割は感情的な問題も伴うため、自分たちだけで結論を出すのは難しいことが多いです。弁護士がいることで、冷静な判断を行う手助けとなり、トラブルを減らすことができます。

 

 また、よくある相続税の計算や、必要書類の準備に関しても弁護士のサポートが役立ちます。特に、相続税に関する誤解や推測を避けるために要点をしっかり理解することが大切です。

 

### 結論

 

 遺産分割における不動産の取り扱いは複雑であり、特に相続人間での意見の相違がトラブルに発展しやすい領域です。しかし、弁護士に相談することで、適切なアドバイスを受け、円滑に遺産相続を進めることが可能です。相続は一度きりの大事なプロセスだからこそ、専門家の力を借りて、愛する人からの遺産を適切に受け継いでいきましょう。